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「モアナと伝説の海」の話

3月25日、ツイッターで話題になっていたモアナを観てきたのでその話をします


モアナというと上のポスターしか知らなかったんですが、ツイッターで「海洋版マッドマックス」と言われてたので、「ま〜〜〜た日本のクソ広告詐欺か!」と興味はありました。
それでも興味がある程度。いずれBlu-ray借りればいいかなーくらい
しかし、先日信頼できるフォロワーさんが「モアナが良すぎてサントラ買っちゃった」とツイートして俄然映画館で観る気が湧いてきました。
サントラ買うって相当だと思います。

ではあらすじと共に感想を書いていきたいと思います。
ネタバレまみれです。

ハワイのような島で暮らす人々。
主人公モアナは、次期"島長"として周囲に期待されている子。女の子でも島長なれるあたりがディズニーですね。そういうプリンセスです
ただ、モアナは昔から海が好きでたまらん、なんとかして海に出たい!とずーーーーっと思っていたのですが、周囲からは反対を食らう

「ここは安全だし素敵な島だしわざわざ海に出る必要がない!島長として島を平和にもっと発展させるのが役目!」

現島長の父親の発言も最も。可愛い子にわざわざ旅なんてさせたくないですね
てっきり「島の試練で少女は海へ出る」って展開だと思ってたので、この猛反発は予想外でした

父親がモアナを説得するときの"島の天辺に石を積むと島が一段高くなる"って言い回しが素敵で、モアナも島が大好きだし、ちゃんと島長としての実力もあるので、島長になると決めるのです
モアナが海に出るのを止める父親は、昔海の事故に遭ったからこそモアナを止めるってのがまた泣けますね。悪人がいない。

ただ、最近島の様子がおかしい。
魚が取れなくなり、植物が枯れていく。
ここで昔から伝わる伝承が絡んできます。
「ずっと昔、マウイという者が"海の女神の心"を盗んでしまい、それ以降深い闇が海に広がっていき、海が死んでいく」というお話です。
このままでは島も死んでしまう。
モアナの祖母から、「お前は海に選ばれた」と"女神の心"を授かったモアナは、船の操縦も知らないまま海に飛び出していく……。

モアナは一人で旅の支度をするのですが、母親が思い詰めた顔でこっそり準備を手伝ってくれたり、祖母が見送ってくれるシーンが第一の泣き所です。
びびるくらい泣いてしまいました…。

で、ヒーヒー言いながら航海し、"女神の心"を奪ったマウイと出会い、なんやかんやあって二人で冒険することになります。
この「なんやかんや」がまたいい!
テンポもいいし、"悪人"として描かれていたマウイは、別の面から見ると"善人"という描写がぐっときます。
モアナの真っ直ぐで努力家な一面に胸を打たれます。
あと航海のシーンがゼルダの伝説風のタクトを彷彿とさせますね。海にはロマンがある………!!!!


で、ラスボスと和解してモアナは女神に心を返し、海も島も平和を取り戻す……。というハッピーエンドです。


作品のテーマとして「自分になるのは自分」「自分を決めるのは自分だけ」が一貫しているのがいいですね

キーパーソンのおばあちゃんは「海に出たい」というモアナに対しても「自分はどうしたい?」「自分がしたいならすればいい」と、あくまでモアナ自身の意思を引き出してくれるのが本当に良いです。
途中で航海を諦めて島に帰ろうか…とモアナが悩む時も助けてくれるのはおばあちゃん。
このシーンはめちゃくちゃ泣けます。二度目の大泣きポイントです。

おばあちゃんの自分のことは自分で決めるように促すけれど、いざ決めたら全力でその道をサポートするのが本当にかっこいいですね。
こういう大人に私はなりたい。

このスタンスをマウイにも実行するモアナちゃんが素晴らしい。
マウイを旅に付き合わせるために「みんなが褒めてくれるよ」と言葉巧みに誘導するんですけども、これもあくまでマウイ自身の意志を引き出してるんですよね。
まあ最初はバリバリに命令しまくって険悪になるんですけども、そのシーン可愛いです。
人々からの愛や賞賛が欲しいあまり、どんな願いでも叶えてきたマウイ。ただ、助長する願いについに女神の心まで盗ってしまい、一転して悪役として蔑まれてしまうマウイ。彼が欲しかったのは女神の心ではなく、みんなからの承認なんです。
このこじらせ気味の承認欲求が泣けますね。人の喜ぶ顔がみたくてつい何でもしすぎて磨耗してしまう人、思い当たる節があるんじゃないかな。

神器がないから英雄にはなれないと弱音を吐くマウイに、「英雄になるのは貴方よ」と、「自分を決めるのは自分」と声をかけるシーンは泣けるとかじゃなくてグッときます
何の縁かいっしょに旅をする者同士、お互いに歩み寄ろうとする姿勢はRPGのワンシーンのようです。

マウイから船の知識を学び、海を知り、どんどん成長したモアナですが、自分の判断を過信して大失敗をしてしまいます。
ただ、そんなときも反省し、ちゃんと謝罪できるのが本当に成長というか、大人の一歩というか、子供の素直さというか。
「でも次はこうしよう」と彼女なりの改善策を出せる姿は本当に魅力的です。

モアナは海に選ばれて、その理由は明確には明らかになっていません。
観客サイドには主人公だから〜で解決しちゃうんですけれども、モアナ自身もわかってないんですよね。
わからないから不安だ。でも、選ばれてしまった以上やるしかない。島を救うために。この揺るぎない意志がかっこいいんですよ〜。

最後、確かにモアナは海に選ばれた少女でした。
他の誰でもできなかった。
でも、これはモアナ自身がたくさん努力したからなんです。モアナ自身が海に選ばれる人間になるように自分で決めて努力して成長したんですよね。
卵が先か鶏が先かみたいな命題ですが、モアナが海に選ばれて、海に選ばれるのに相応しい人物に成って、海に選ばれた感じです。

ここで例の日本版ポスターですが、
「自分の道を決められるのは、あなただけ……」
間違ってません。
こんなにハートフルな文章ではなく「思い出せェッ!!!自分の道はテメェでキメろ!!!!船を出せ!知識を身につけろ!自分自身を強くするのは身につけた経験だ!!!」って強気な内容ですが、「詐欺!」ってほど酷いとは思わないです。
まあこの広告ポスターで見ようとは思わなかったのですが……。
マッドマックスを「砂漠を行って帰ってくる話」と形容しましたが、そこに「己の努力」を付け加えたのがモアナなのかなって思います。

昨今のディズニーの恋愛するプリンセスではなく、己の力で道を開きだすヒロインを描きましたね。ズートピアとかめっちゃ好きだもんなあ、もっと続けていいと思う。ベイマックスもだけれど、人が動くのに一番わかりやすい感情は恋愛感情かもしれませんが、自分にはこういう冒険譚の方が合ってるみたいです。
モアナが少女である必要はなかったと思うくらいでしたが、ごっついマウイと可愛らしいモアナの組み合わせは大変楽しいので、やっぱ女の子っていいですね!

海の美しさ、植物の力強さ、島で生きる人々の活き活きとした姿、そして音楽。全てが大変良かったです。
これは……サントラ欲しくなっちゃうね。

これからもモアナとマウイは世界を旅して、また新しい伝承を作っていくんだと思うと胸が暖かくなります。
おばあちゃんは背中にエイの刺青を入れていたけれど、モアナはタカの刺青入れてほしいなあ。
ネタバレばっかりになっちゃいましたが、モアナ、おすすめです。